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「全く、人間というやつは残酷なものだ。善意を勝手に悪意と解釈して挙句の果てに命まで奪おうとするんだものな」
「短絡的にものを言うな。彼女は追い詰められた中、かけられた言葉の意味を取り違えただけだ」
「フフフ、なんにせよ、殺された方からしたら、たまったものじゃないよなあ」
不気味な顔をしたピエロが笑うのを、鎧の女がたしなめている。ここは死後の世界だろうか。
「キミはどう思う? 彼女の事が憎いだろう」
「無用なことを聞くな」
ピエロがわたしの顔を覗き込んでくる。あまりに現実離れした光景に言葉を失う。まさか、彼らこそ本物の死神だったりするのか。
「全く同情するよ。キミが望むなら、彼女に相応の罰を与えてやることも出来るよ」
「……罰?」
「そうだ。剥き出しの心に、自分のしでかした過ちを見せつけてやるんだ。どんな人間だって、良心の呵責に耐えられなくなる。もちろん、良心が残っていれば、だけどね」
ピエロは白塗りの顔をこちらに近づけ、クククと喉を鳴らした。派手な化粧のせいで表情が読み取りにくい。
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