狂炎の魔術師は過去を語る

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 クリス・ハワード、23歳。『狂炎の魔術師』と呼ばれる所以は、複数の火球にスキル・混乱を付与することで辺りを焼け野原にする『パニック・ファイア』と呼ばれる技を持つからである。  通常、混乱スキルは無生物に付与できないはずだが強すぎる能力故にできるのだという。  その辺りの話を聴いてこい、と先輩と編集長からも言われていた。大戦時の話や、魔法についての考えなどを聴きつつ、幼少期の話に持って行く。 「それだけ強い混乱スキルを制御するのは大変では?」 「幼い頃は大変でした。うちは西部の小さな村のまとめ役をしていまして、15になったら軍の養成学校へ入るよう言われていました。なので力を制御し、武器になるようにと両親もいろいろと手を焼いてくれたのですが」 「スキルの制御は難しかった?」 「はい。王都から家庭教師が来ていました。魔法や剣術はそれなりにできたのですが、スキルの制御だけがどうしても難しかったんです。元々、混乱スキルを持つ人は少ないですからね。……そんな時、王都の大学に通う学生が来たんです」 「学生、ですか?」
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