序幕

5/6
前へ
/377ページ
次へ
「……っ!?」 「アデライトお嬢様!?」  声にならない悲鳴を上げ、目を覚ますと聞き覚えのある声に呼びかけられた。 「今、旦那様をお呼びしますっ」 「あ……」  何だか若く見える侍女が走り去るのに、声をかけようとして――いつもと違う、高い声に戸惑う。そして顔にかかる髪を払おうとして、その小ささにギョッとした。  そして慌てて飛び起き、鏡に映る姿を見て愕然とする。 「…………わたく、し?」
/377ページ

最初のコメントを投稿しよう!

87人が本棚に入れています
本棚に追加