87人が本棚に入れています
本棚に追加
だからこそウィリアムの返事を待つ間、アデライトは怖かった。
そんなアデライトに、相変わらず表情は変わらないが――静かな声で、ウィリアムは言った。
「……作物や薔薇を育てたり、新たなことを実際に始めるのは領民だ。私達が命じて、無理にやらせることは出来ない」
「はい……」
「だが、確かに良い案だ。一緒に考えよう。そして皆に、話してみて……もし頷いてくれたら、やってみよう」
「っ! ありがとう、お父様っ」
そして女子供だからと頭ごなしに拒まず、柔軟に受け入れてくれたことにアデライトは俯いていた顔を上げ、満面の笑みでお礼を言った。
最初のコメントを投稿しよう!