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レストランに入ると、もう、美乃と恋人は待っていた。ふむふむ、あらかじめ、写真で見ていた通り、なかなか、好青年じゃないか。
恋人が俺たちに気づいて慌てて立ち上がる。その手が不用意に動いて、グラスが倒れる。運動神経がいいのか、パッと受け止めたが、中の水はすっかり服にかかっている。
これが俺に似ているのか。
美乃が一生懸命、ハンカチで濡れた服を拭いている。
「初めまして、美乃さんとお付き合いさせて頂いている城山行人です」
行人は勢いよく頭を下げ、ゴツンとテーブルに頭をぶつける。
俺に比べたら、可愛らしいもんじゃないか。
そう思うと、俺の心には余裕が生まれた。心の中で語りかける。
さあ、今から、君も俺の仲間だ。もっと、武勇伝を作ってくれ。
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