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そうしてあたしは強引なプッシュを続けて、その甲斐もあって、しばらくして付き合うこととなった。プロポーズはすでに済んでいたため、一年後には末永く幸せになろうねと誓い合ってあたしたちは晴れて夫婦となった。
あたしはきっと、あの日あの場所であたなと出会うために、パンケーキを頬張るために、これまで生きてきたのだと真面目に言うと、その度に彼は吹き出し、お腹を抱えて笑った。そして必ず、ぼくたちの運命の出会い方はぼくたちだけのものだね、と言ってくれる。
そうやって末永く幸せに暮らし、人生めでたしめでたしで終えられることが今のあたしの夢だ。
それから、結局、あの時王子様のキスで目覚める夢が叶ったのか、叶わなかったのかは、二人だけの秘密だからナイショ。
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