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16 またまたびっくり
それからどれくらい経っただろう。
「ああもう! やめて下さい~!」
情けない声が響き渡ったと思うと、瓦礫の向こうに居たのは―― 金髪男。
慌てて俺はマシンガンを向ける。
すると相手は両手を挙げて、首を大きく横に振る。
「あ~ やめてやめて。ホントに良かった良かった、これでワタシの責任問題も少し軽くなりますよ」
佐久田はさっと俺の横に移動する。
「いやいやいや、ワタシはアナタ方を脅した者とは別です」
「別だって? 顔同じじゃないか! この色男が!」
すると男は両手をひらひらと振る。
「これはですね、便宜上我々の種族が使っているパタンの一つでして。初めまして。**空間管理局の***…」
高村の眼鏡の奥の瞳が訝しげに光る。
「アナタ方の言葉では『おまわりさん』です」
相手の口調があまりにも脳天気なことに俺は苛立った。
「ではまずアナタ方の最大の心配ごとから」
こほん、と咳払い一つ。
「アナタ方は、もう戦う必要はありません」
「え、本当?」
思わず俺は身体を乗りだした。
「はい、犯人は捕まりましたし」
「犯人」
自称「おまわりさん」は、そうですね、と前置きをして話し出した。
「だからもう戦う必要ナシ。こっちも事件解決。良かったですねー」
俺は胸を撫で下ろす。
「あ」
思い出した様に金髪男ダッシュは腕に付けられた端末から何やら読み取る。
「すーいーませんー」
「……今度は何だ」
再び佐久田の眼鏡がぎらりと光る。
「すいませんー! アナタ方はどーも解決はしても元には戻れないようですー」
「は?」
俺達の声が揃った。
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