ある日予告も無しに赤紙が届いたんですが。

2 それは学食で起こった

　あれは数ヶ月前のこと。

『……えー……　ここで臨時ニュースをお知らせします』

　学食の真ん中のＴＶが不穏な空気を漂わせた時、俺と佐久田はいつもの様に昼飯のおかずの取り合いをしていた。

『……すみません。戦争が始まり……　始まりました』

　俺は箸を止め、周囲は少しだけ静まり、視線がモニタへ集中する。
　黙り続けるアナウンサーに画面が変わるか、と思われた瞬間…

『繰り返します！　聞いてくださいよ！』

　はい、と思わず俺はうなづいてしまった。

『全世界で戦争が始まっちゃったんですよ！！　ねえどうしたらいいいんでしょうかね！！』

　あーははははははは！
　笑い続ける。
　向こう側でも止める者は誰も居なかった。