4 とりあえずどうしたもんか

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4 とりあえずどうしたもんか

 掛け声が決まった――   とばかりに、胡散臭い金髪男は高笑いと共にフェイドアウトしていった。 『……失礼致しました。臨時ニュースを追加します」  見慣れた、穏やかな色彩のニューススタジオに戻る。 『先程入りました連絡によりますと、東海道・山陽新幹線、東海道本線が米原で分断…… 北陸本線…… 同様に各自動車道も分断……』  棒読みだ。  心なし、原稿を読む視線が虚ろに見える。  とりあえず俺は高村の方を見ると、奴は眼鏡の下の目を細め、黙って立ち上がる。  俺も慌てて残りをかき込むと、奴の後を追った。 
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