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7月15日現場確認
20年前
新校舎だった屋上からの飛び降り自殺が相次ぎ
呪いのノートの存在がまことしやかに噂となった
【ノートを拾っても決して読んではいけない】と
俺が卒業する年に新校舎の屋上への扉は閉鎖され
【あかずの扉】となっていた
俺のクラスメイトもその呪いにかかったと噂された一人だったが
本当のところはわからない
ただ【あかずの扉】になってからは
自殺者はパタリと止まったそうだ
古びた校舎を解体するため
現場の屋上へと来ていた
奇しくもここは俺の母校だった
閉鎖された扉を開けると雑草だらけの屋上が姿を現した
足元にA4サイズ程の缶が落ちていた
錆び付いていたが蓋は開いた
今読んでいたのが
この缶に入っていた
二冊のノートだった
そして思い出してしまった
呪いのノートの話を
俺は
あかずの扉を開けてしまったのだろうか
クラスメイトの命日は
たしか今日だった
ノートを缶にしまうと
両手を合わせた
もし
どこかでノートを拾ったとしても
決して
読まないでください
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