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1:計画の梅雨
『今年の梅雨は六月六日から二十日となっています』
僕はリビングでつまらない天気予報を聞いていた。
今日は十七日。梅雨はもう終わる。
人類は天気をコントロールすることを覚えた。
雨は計画通りにしか降らない。
梅雨を再現しているのは、偉い科学者が生態系を嘆き、経済学者や心理学者、社会学者、医者が影響を論じて、称賛を浴びる芸術家が失われる趣に反論したからだ。
高校二年生でろくに部活動もしていない人間には、運動部のように晴れを望む意志というものは全くないが。傘を持っていかなくてはならないのが面倒だ。
朝も少し早く準備しなくてはならない。
「行ってきます」
雨は面倒だ。
傘は荷物になる。
梅雨は早く終わってしまえばいいと思っていた。
でも今日はいつもより早く家を出ていて。
だから僕は彼女と出会ったのだ。
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