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カエルは少し考えていたが、この鮒はきっと中二病だろうと思い始めた。そして、どこか遠くの空を見つめた。
「まあ、何でも良いけど。ここは長閑だなあ」
「五風十雨が一番じゃが!」
「よく分からないけど、難しい言葉を知っているんだね」
「もちろんじゃが〜!」
「変なやつ。あのさあ、その泳ぎ方は疲れないの?」
「とっても疲れるじゃが。でも、元に戻れないじゃが〜!」
鮒はずっと背泳ぎのままだった。じゃあ、どうやって背泳ぎの体勢になったんだとカエルは思ったが、口に出すのも野暮だろうと言わなかった。
「助けようか?」
しょうがない困った奴だと思いながらもカエルは立ち泳ぎして、ヨッコラショと鮒をひっくり返した。
「ありがとうじゃが〜!」
「困ったときはお互い様だよ」
「旱天慈雨じゃが〜!」
「寒天汁?」
「違うじゃがーっ!」
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