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「そうだ。教えて欲しいことがあるんだ」
「何じゃが?」
「この辺りにブラックバスがいるって聞いたんだけど?」
ジャガ神は何もない左上のほうを眺めて記憶を辿った。
「この池にいるじゃが!」
「そうか…やっぱり」
「で、それがどうしたんじゃが?」
「聞いただけさ。じゃあね」
そう言うとカエルは鮒に背中を向け、反対方向に泳ぎだした。
「おい、待つじゃが〜!」
ドゴゴゴ〜っ。ジャガ神は放たれた弾丸の如く加速するとカエルにスナップを利かせたヒップアタックを食らわした。ビシッ!
バシャ、ヒュ〜ッ、バシャン。
カエルは水面から空に向けて円弧上に吹き飛ばされた。そして、空中遊泳した後、重力に負けて水面に叩きつけられた。痛そうに右手で腰を押さえている。
「痛たたた…。何するんだボケがーっ!」
「落ち着くじゃが!」
「はあ?」
「お前はどこに行くんじゃが!」
「君には関係ないだろう?」
「ここは俺さまの池じゃがー。勝手なことは許さないじゃがー!」
カエルはジャガ神の熱い眼差しに驚いた。弱肉強食の世界で、ジャガ神はこれまで身近にいないタイプだった。
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