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いにしえの大魔神
数分後、ジャガ神がお使いから戻って来た。
「後ろから押されて、泳ぐのが楽じゃが〜」
「遅かったですね。ジャガ神さま」
「大人の事情があるじゃが!」
ジャガ神の後ろでは巨大な物が水中をゆっくりと動いていた。カエルのところにもその衝撃波が伝わり、後方に流されそうになる。カエルは何とか踏んばっていた。そして、目の前にやって来た姿を見て驚き、目が飛び出た。
「なっ!」
ジャガ神と一緒にいる魚は体長2m、体重100Kgの巨大なシーラカンスだった。8つの大きな鰭、筋骨隆々な姿、鎧のような硬い鱗は恐ろしさを感じた。
シーラカンスはカエルに向かって自信満々に言った。
「話はジャガ神から聞いたでカンス。おいどんに任せるでカンス!」
「任せたじゃが〜!」
「お任せしますね」
「…」
カエルはポカ〜ンと口を開けていた。類稀なる精神力で気を取り戻すと、ジャガ神が呼び寄せた鮒にこっそりと言った。この池の住民は個性強めだねと…。
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