結婚式

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 パパパパァーン  パパパパァーン  パパパパァン  パパパパァン  パパパパァン  パパパパァー  パァパァパァパァ  パンパァーパァパァ  パンパァーパァーパン  宮殿で働く者たちが集まり演奏してくれた音楽に押されるように、ウェディングドレスの私はホールの真ん中に進んだ。    本当に身近な者たちだけの結婚式で、剣崎は神父の資格があるとかで剣崎が今夜は神父の服を着ている。  そして、いよいよ、私の夫となる新郎が現れる番だ。  普通はさぁ、新婦が後じゃねぇのかよーって、突っ込みは自分でしていたけど、祖母には言えない。  スモークが焚かれて白くモクモクと視界が見えなくなったところで新郎が出てきた。  私は白のウェディングドレスかと思っていたら母の好みで桜色のピンクの可愛いドレスだった。  そう、私の母は子供のように可愛いものが大好きな、可愛い女性なのです。祖母にかなり甘やかされて育ったから。その分、祖母は私にはかなり厳しかった。  新郎のタキシード?の服の色も気になっていた。  見えてきたのは白だった。  後から聞いた話では服を任された母は、新郎は身長が高いのでサイズばかり気にして色とかは全く何も考えていなかったようだ。  そして、ゆっくり全体像もわかったが、かなり背の高い人のようだとしか最初はわからなかった。  そして、スモークを抜け出して近づいて来た顔は、、、、、  見たことがある?  ん?、見たことがある?  うん、見たことがある。  そう、見たことがあった。 「花山カオル」  思わず、フルネームで、呼び捨てにした。  彼はニコリともしないで、体はガチガチで、右手と右足を同時に前に出しそうなほどの緊張状態だった。  私は驚いたけど、少し安心した。  おばあさまの花山への罰は、これだったのかもしれない。  花嫁より花婿が大注目のラストの登場だ。緊張するだろう。  そうしたら、おかしくなってきて、だんだんと大笑いしていた。  祖母がこちらを見て、睨んでいる視線に気づいて慌てて開いていた大口は閉じたけど、その後も、お腹で笑い続けた。  彼が私の隣に来た。  私が軽く、 「よろしく」  そう挨拶をすると、 「よ、よ、よ、よ、よろしく、お願い致します」  そう言って頭を120度の角度でバサッと下げた。  また、笑ってしまった。  まぁ、好きになってから結婚したかったけど、大ハズレじゃないかなって思って、おばあさまに感謝した。  式のキスの誓いはおでこにしてもらって切り抜けた。  正式な結婚の契約書に署名すれば正式な夫婦となる。  彼が先に署名した。  そして私が署名しようとペンを持ったときだった。    バァーーーン!!!  宮殿に物凄い爆音が響いた。  それから遅れて宮殿が揺れた。  グラッ、グラッ、    ブーーーーーーーーー!  緊急事態を知らせるブザーが鳴った。それからすぐに、  ピーーーーーーーーー!  緊急避難の指示のサイレンが鳴り響いた。  バァーーーン!!!  バァーーーン!!!  バァーーーン!!!  グラッ、グラッ、グラッ、  その間も何回が大きな爆発音と宮殿の揺れはあって、みんなは急いで宮殿の地下へ誘導されて逃げ込んで行った。 「女王様、お母様、お姫様、新郎様、ここは皆様も地下へ逃げて待機して下さい」と剣崎が誘導しようとしたが、  しかし、女王は動かず、この広間はあいつは破壊なんかしない。大丈夫だから…と言って動かなかった。 「ナナ、契約書にサインを」  そう祖母に言われて私はサインした。手が震えるのでいつもより強い筆圧の文字になった。  そして、  ついに夫婦になった。 「これで良し」  祖母は契約書を確かめてから、 「カオル、心の準備はできていますか?」  そう花山に聞いた。  花山はさっきまでの緊張が嘘のように逆に落ち着いた表情だった。 「この日のために10年間も修行をしてきたんです。大丈夫です」  そんなことを言った。  10年間?、何の話?  そんなことを思っていたら祖母が私と花山を手招きした。 「零様の魔力をこれから解きます」 「んんんんうぅーーーやぁー!」  私は何の変化も感じなかったが、封印は解かれたらしい。  こんなものなの?  そんな、感じだった。  本当はピリピリとか、キラキラとか、バァーンとか、あるのかと思って身構えていたから調子抜けした。  それから祖母が、 「傍観のプリンセス、願います」  そう私が言うと魂が入れ代わり、花山が私の体で魔法を使えるようになると言った。 「元に戻して」  そう言うと元に戻るらしい。  そして祖母が、  私たちに初めての任務を指示した。すぐにこの攻撃を防いで平和を取り戻して…と。  
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