【五章】ー雪山ー

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「そういうことやでー、望は顔を真っ赤にしておったみたいやけど、顔を真っ赤にするほど、想像していたことっていうのはなんだったん?」  二人にそう言い詰められ、望はこの状況に限界が来たのであろう。 テーブルを思いっきり叩くと、リビングを出て行ってしまう。 「やっぱり、望はそうなっちまうんだよなぁ。 相変わらず、性格の方は変わらないって感じか?」 「今のは和也さんが言い過ぎですってばぁ!」 「ん? 何だ? 裕実も何か絡んでほしかったのか?」 「ち、違います!」  裕実は和也の言葉に動揺し、和也に自分が今考えていることを教えてしまったということになってしまったらしい。 「あー! わかったって! ゴメンな……裕実ー」  和也はそう言うと、自分の隣にいる裕実のことを自分の方へと引き寄せ、裕実の頭を撫でるのだ。 「もー! 和也さん! さすがにみんなの前ではそういうこと恥ずかしいですよー」  裕実はそんな風に言いながらも幸せそうに和也のことを見上げる。 「しっかし、お前らは仲ええよなぁ」  和也と裕実のラブラブっぷりを目の前で見せつけられている雄介は呆れたように言うのだ。 「そりゃな……」  和也は裕実のことを見ると、裕実の方も頷く。 「俺らはそういうことだ。 それよりさぁ、お前は望のことはいいわけ? それに、スキーの話してぇし」 「せやな……やっぱ、あのわがままなお嬢様を連れて来るのは俺の役目やしな」  雄介は仕方なさそうに立ち上がる。 「さて、あのわがままなお嬢様を連れて来るかやなぁ?」 「そこは雄介の腕にかかってるんじゃねぇのか?」  そう和也は笑顔で雄介を見上げる。 「あ、ああ、まぁ、そうやねんけど、アイツってへそ曲げると大変やねんって……」 「大丈夫だって! お前が優しく言えば来るんだろ? ま、俺らがいるんだから、望の可愛さにやられて来ないようにー、そんなことしてきたら、俺らの方もここでやらせてもらうからなぁ」
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