ボクとあの子

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 ボクの体は全身真っ黒。  この家に来たばかりの頃は、体に長い服を巻き付けていたのに、『あの子』がボクを持ち上げてあっちこっちと動かすたびに、体はどんどん擦り切れて、服もどんどん擦り切れて。  『あの子』の手はいつも真っ黒になっていた。  ボクは来た頃よりも背がとっても小さくなった。反対に『あの子』はあの『子』だなんて呼べないくらいにとっても大きくなった。  今は、『あの子』にそっくりな『アノ子』がボクを使ってくれている。 「パパー、もうスケッチブックいっぱいだよー!」
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