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……外に出た瞬間、炎天下。
あれ? 家の中の方が涼しかったのかも。
これ出掛けないほうが良くね?
口にはしなくても、二人が脳裏で考えたことは一緒だった。
四季折々の日本だが、北海道に至っては例外。
春と秋が短すぎて、太陽が赤道で反復横跳びしてるんじゃなかろうかと錯覚するレベル。
又、北見市は盆地であるため寒暖の差は日本随一を誇る。(誇っていいのか?)
それでも二人は無言で顔を見合わせて頷き、出かける事を決意。
片や18歳の現役女子高生、もう片方は24歳独身。
お互いに彼氏はいない。
出掛けなければ男との縁も逃すだろう、チャンスは巡ってこないだろうと遠回しな焦りも出掛ける決意に至る。
綾乃が足車に使っている型落ちした160s型ダイハツ·ムーブカスタムを出すことに決めた。
綾乃は先ほどの発泡スチロールの箱の中に保冷剤と氷を敷き詰めて、袋に入った稚貝を箱へ梱包。
箱をトランクに載せてエンジンをかけた綾乃は即座にエアコンをオン。
夏海もナビシートに乗り込み、連休初日のドライブが始まった。
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