2人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
そんな綾音は、杉谷綾乃の姿を見て一変。
人格が変わったように態度を変える。
「あら!? 綾乃さんじゃないですか!
外暑かったでしょ? いま飲み物出しますから、ゆっくり休んでいってください!」
夏海に目をくれない綾音に、杉谷綾乃は苦笑い。
「ささ、どうぞ! 事務所はエアコン効いてて涼しいですから、ソファーで寛いでてください!
あ、夏海は外ね。洗車機のホース外したら普通の水道出るから、それでも飲んでて」
手厚い持成しに、まるでぬいぐるみのようにデフォルメしたかのように箱を抱えたままスキップして奥の事務所へ招かれる杉谷。
対して夏海はその場で両拳をプルプルと震わせて怒りを堪える。
「綾音はいつもそうやって‥‥!
綾乃と一緒に差し入れを持ってきたのよ!
遊びに来たんじゃないわ!……ん?
遊びにきたんじゃ……あれ?
なんで綾乃の付き添いで来たんだっけ?」
自身の目的すら忘れてしまった夏海に、綾音がコントのようにずっこける。
「……天然お嬢様キャラは健在だね。
まあ、さっきのは冗談だから。
冷たいコーヒー、お茶、ジュース、どれがいい?」
改めて夏海も事務所へ招き、二人をソファーに座らせて涼ませる。
最初のコメントを投稿しよう!