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綾音も杉谷も恥ずかしくなったのか、照れ隠しのつもりか同じタイミングで咳払いをした瞬間、夏海が空になったコップの氷をストローでズゴゴゴゴゴゴォーっと鳴らした瞬間、
皆、笑いが堪えられなかった。
「夏海、そんな変なタイミングで変な音鳴らさないでよ! 笑っちゃったじゃん!」
「ナッチ、面白いね! ウチもあれ我慢するの無理だわ」
「え? 何が? 私そんな面白いことした?」
口を尖らせて大きなエクボを作り、カマキリみたいな変顔でストローを吸う夏海の表情に、二人は"殴ったろか"と一瞬思いつつもイラッとしてニヒルな笑みを浮かべた。
……続いて2件目。
夏海の通う高校の近くにある外科。
住宅と併設されている小さな病院。
所謂、開業医というやつだ。
"診療所"と呼ぶにはあからさまにでかい。
小さいとはいっても、周囲の家と比べたら家も病院も3階建てだから、そりゃあでかい。
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