学生時代、よくス◯バのフラぺ飲みまくってたら来月ゲーセン行けないくらい小遣い減るよね。

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 ………3件目。  夏海を乗せて、塗装の下からフェンダーに錆が浮くボロいムーヴのハンドルを握る綾乃は、一面が青々と広がる四角い絨毯の様な農道を走らせていた。  向かった先は、とある一件の農家。  家の敷地も広く、トラクター等の農機具が納まるD型ハウスの横には、値札が貼られて型落ちした中古車が並ぶ。  ここは農家兼中古車販売店という一風変わった家だ。  一連の流れの通り、綾乃は箱を抱えてふざけながら家の呼び鈴を押す。  「我が名は綾乃。  紋別出身にして漁師仲間随一の若さと美貌を誇るイマドキギャルなり。  時は満ちた。  (なんじ)今こそ、この扉が開かれん」  「ねえ、何の儀式?」  ふざける綾乃に冷静なツッコミを冷ややかに入れる夏海。  だが、家のドアは一向に開かない。  ドアの向こうからも物音が聞こえないため、どうやら不在のようだ。  暫くすると、1台のトラクターが畑からこちらへ向かってきて、D型倉庫の前で停車した。  
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