学生時代、よくス◯バのフラぺ飲みまくってたら来月ゲーセン行けないくらい小遣い減るよね。

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 降りてきたのは短髪の30代くらいの細身の男性。  「おう! ケイんとこでバイトしてる子の同級生じゃん!  それと……君、誰? 原宿から来たの?」  気さくに夏海へ話しかける男の名は、七海(ななみ) 平次(へいじ)。  大野財閥が経営する鮮果場へ野菜を卸している関係があり、夏海はその挨拶も兼ねて綾乃に頼んで稚貝ここへ来ていた。  「相変わらず呑気な人ね。  この人は、私の家政婦さん。  私から頼んでこれを私に来たの」  綾乃は平次に警戒しながら箱を渡す。  「あの……不束(ふつつか)者ですが、どうぞ」  「あははは! ふつつかものって君、俺の嫁に来るのかよ!  そんなに面白い()なら大歓迎だけどな!  どれどれ……おお! 稚貝か!  今年、意外と物良いな!  この活きの良さだと、今朝取れたやつか!  これ、どこの?」  稚貝に興味津々の平次は、綾乃に質問を繰り返す。  「佐呂間の漁港です」  「船か? 君、"丘っ引き"じゃないだろ?」  「第37代栄竜丸、ウチの家の船です」  「栄竜丸って事は、杉谷さんとこの紋別の船じゃないか!  遠征かよ……大変だろ?  待てよ、杉谷さんって白ナンバーのいすゞ810のデカ箱ロングの燻銀のダンプだよな?  君もしかして、杉谷さん家の娘さんかい?」  
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