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季節は5月。
北海道は雪が溶けたばかり。
ゴールデンウィークが始まり、学校の休みが始まった夏海宅。(1F、1DK)
とある昼下がり。
リビングで団扇を顔に扇いで、カーペットの上で誰かに棄てられたように俯せで転がる夏海。
「……なんで5月なのに気温が26度なのよ。
扇風機も買うお金無いし、どうすれば……」
夏海は団扇を放り投げ、ごろんと寝返りをうって白い天井を扇ぐ。
暇を持て余しすぎた夏海は、ジプトーン模様の黒い線の数を数えだす。
「………綾乃はまだ帰ってこないのかしら」
肝心の家政婦として雇った杉谷 綾乃に関して、実はとある問題を抱えていた。
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