蒼青空、響透、澄夏、何処在

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点滅する街灯の上に 這う羽虫を探し出しては おぼろげな光に集まる習性に 何か意味はあるのかと 考えてみたりする 夏の暑さに急かされて 人間及び生物たちの生命活動は 生き生きと活発化していた 私も負けじと 遅れながら その後に着いていく がぶ飲みサイダーを ぶちまけたかのような あんな青々しい空が 瞳を焦がし迫ってくる 手を叩けばどこまでも響く立体音響 ひぐらしの声はまだやまない ってことは夏という季節も 遊び足りないがたくさん残ってる 全てを、染め上げたから 一色では収まりきらない 透き通った背景に フラッシュバックが掠める ほのかに伝う日だまりへ 永遠の刹那を繰り返すこの時 どうやら 視界におさまる世界までも ガラス細工の水槽に沈んだ   全てが澄んでいて よく晴れた透明度を放つ いっそ病的なまでに 色白の素足を晒して 走ったって構わないと思える あぁ、次から次に事象が矢継ぎ早に来て 一息つく余裕もないまま 夏風邪にだけはかからないように 強がりの 我が儘を 全力で行使する
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