雨の日

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11  呪いを解く場所は初めてエルシィと会った玄関内。 「手を出して」 「はい」  初めてエルシィに手を出した時と同じように手を出しだす。     あの時のように私は掌を差し出すと、 エルシィは何かを呟くように唇を動かしながら手を包むように私の指を触れようとした瞬間。  以前は手を重ねようとしたとき白い光がはじけ飛んだが、今回はうっすらと私の手に光が灯っている。 「これは?」  何が起きたのか分からずあっけにとられている私とは反対に、エルシィとドーラは開いた口が閉まらず、二人して視線を器用に泳ぎかわしている。  ……数十秒間無言な事に耐え切れず、私がエルシィに声をかけた。 「言いづらい事?」 「エルシィここはハッキリ言った方が良いぞ」  ドーラの言葉に何のことか分からず私は聞き返す。 「エルシィさん言いづらい事?」  真っすぐ見つめられたエルシィは観念したようにボソボソと口にした。 「あのね、呪いの事なんだけれどね……」 「はい」 「解けませんでした。てへ」 「は、い?」
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