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04
30分電車に揺られながら最寄りの駅に付き、私がホームに足をつけると隣で少女がジャンプして降り立った。
「……器用ね」
「何が器用だ?」
「擬態なのは強引に理解したけれど。動きが自然過ぎて擬態なんて信じられない」
「そうか?」
女の子は自身が誉められた事に誇らしく私の前でくるりと回って見せる。
可愛いらしい姿に本当に動物の擬態なのかと未だに信じたくない。
「あれ?」
「どうした?」
「なんで少女の姿に擬態してんだ。他にも色々と擬態できなかったの?」
少女の今までの出来事があまりにもインパクトが大きすぎて冷静さをかけていたが、
今になって違和感に気づいた。
「ははは、今さらそんなことに」
笑う少女に私は疑問を投げかける。
「なんで女の子に擬態したの?
そもそもこの時間帯に女の子が1人で電車に乗っていたら違和感があって周囲に怪しまれない?」
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