Prologue

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 優しく微笑んだ隣姉ちゃんは、私の顔の前に手を広げ私の視界が黒く広がり隣姉ちゃんが小さい声でこう言った。 「またね」 「え?」  暗かった視界が晴れると隣姉ちゃんの姿が消えていた。  何が起きたのか分からず、私はマンションの駐車場から一人で家に帰ると、隣にあったはずの隣姉ちゃんの家は最初から存在してなかったように扉が無くなっていた。 私は慌てて家に入り母さんに隣の部屋が無くなっていると言うと不思議そうな顔をした。  何を不思議がっているのかと母さんに言われ私は夢でも見ているのかと思った。  その夜。これは夢、私はきっと夢を見ている。  目を覚ませばきっと隣の家に隣姉ちゃんもいるに違いない。  そう願ったけれど夢は覚めないままだった。  あの日の出来事から私は人には見えないモノが見えるようになってしまった。
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