見える子と魔女と■

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「正確には100年超えた時点で数えるのを止めたの、私2桁超えた時点で数字見る気が失せちゃう癖があってね」  人間離れした長命なのに、100を超える数字が数が苦手なことに驚く。 そして100年経っても苦手なことは改善できないんだと残念に思った。 「どうやって今まで生きて来たんですか?!」 「それそれ」  エルシィは指先と差した先は私ではなく膝の上に未だに(くる)まっているドーラだった。 「ドーラは数字に強いの。だからお菓子を卸しの仕事や、お金関係を任せているの」 「ドーラ見た目に寄らずに凄い」 「ふふ、そのせいか性格も真面目で困っちゃうんだけれどね」 「?」  エルシィはドーラに向けていた指先を上へと私に向けた。 「困っている()を見過ごせない程に真面目」 「あ」  そうだ。電車での会話中、私を助けないと言う選択肢が有った事に今さらながら気付き寒気を感じた。 「まあドーラの性格だから仕方ないんだけれどね。それにしてもまさか”呪い”まで付いているとは思いもしなかったわ」  エルシィは困ったと言わんばかりに首を傾げながら腕組みして見せた。 「そう”呪い”!」 「紬、落ち着いて」 「ウー……」 「子犬みたいに威嚇しないの」 「それドーラにも言われた」  そう私が不貞腐れて言うとエルシィは笑い、紅茶を一口飲み自身を落ち着かせながら語り始めた。 「まずは”呪われた”状態にいつなったかが問題なんだけれど……」 「呪われる覚えもありません!昔から問題を起こさないように生きてきたもん」  私の言葉にエルシィは直ぐに眉間にしわを寄せ聞き返してきた。 「今、”昔から問題を起こさないように”て言った?」 「はい、言いましたけれど」 「何で問題を起こさないように生活しようなんて思ったの?人見知りするようなタイプにもみえないのに、その切っ掛けはなに?」 「あ、それは……」  エルシィの”切っ掛け”という言葉に、私は過去に起きた事その時に感じた感情が一瞬にして思い出して胸が痛くなった。 「言いづらい事?」 「……信じて貰えない事です」 「例えば?」  エルシィは優しく問いかける、だけれど何処か冷たい言葉に私は詰まりながらも答えた。 「ある日、隣に住んでいた人が急に消えたんです。その日を境に見えないモノが見えて、驚いて周りに言ったら変な目で見られるようになって、言っちゃいけない事なんだって知ってからは、変な目で見られないように生活してきました」 「……なるほどね。答えてくれてありがとう」  私が答え終えると、エルシィは何処か困った顔をしながら考え込んでしまい頭を抱え始めた。 「あのー……今の話と”呪い”と関係があるんですか?」 「大あり、(あなた)その時には呪われているわ」
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