碧の声

5/12
前へ
/48ページ
次へ
「この前ドラム式乾燥機付きに買い換えたの。来た日からドーラ偉くお気に入りで、今ではボタンを押して出来上がりるまで楽しいらしくてね。でも、うん。ついでにシャワーも浴びてきなさい。自分では気付いてない所に傷有るかもしれないから」 「え?」  ドラム式洗濯機をどうやって社まで持ってきたのかと疑問を他所に、私の意見を聞かず私は社の裏側から直接浴室へと入れられた。  私の為にここまで親切にする2人にお礼をしたいのに出来ないことにモヤモヤをしながら、シャワーを浴び傷が無いかを確かめてから浴室から出ると、制服の代わり着替えかごにエルシィの私物であろうワンピースの上にメモが乗せてあった。 「乾くまでこれを着てね」と書いてあり面倒見のいい人たちだと感じながらエルシィ達が待っている部屋へと向かった。 「シャワーありがとうございました」 「制服は乾燥するまで待ってね」 「はい。ーードーラは……」 「さっき言った通りドラム式グルグルを楽しんでるようだけれど。ドーラ!話をするから戻ってきて」  エルシィが洗濯機が有ろう場所で聞こえるように声を上げると「もう少し」と返事が聞こえ私とエルシィが顔を合わせ笑い数分後ドーラはご満悦そうな表情で部屋へと来た。 「すまん、夢中になりすぎていた」  ドーラは椅子に寝転ぶように座り、エルシィは話を進めた。 「ねえ、ドーラ。事の始まりを教えて」 「紬に危険だと鈴が教えてくれて向かったら、気体状のなにかに迫っていた」 「鈴?……え、昨日渡した鈴?昨日の今日で鈴が鳴ったか……」  エルシィが言い終える前にドーラが頷いたのを見て項垂れる。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加