碧の声

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 ドーラに言われ、私は今日朝からの行動を一から説明を始める。  朝起きてから学校行くまで何事もなく聞き耳を立て頷く2人だったが、朝の挨拶で後ろの子とを話すとドーラが声を上げた。 「その子はどんな子だ?」 「後ろの席の子?」 「ああ」  私は、後ろの席の子を内向的で目が合わない子と伝えたが、ドーラは「もっと何かないか」と聞かれ私が何かないかと思考を巡らせていると、エルシィが私に聞いてきた。 「その子の声はどんな声だった?」 「声?そういえば小さい声なのに、周りが騒いでいるのによく耳に届く綺麗な声だった」 「あー」  ドーラが何かに納得した声を上げると、エルシィは何も言わずにその場から離れた。  私は別々に動く2人の姿を見守りながら声をかける。 「エルシィさん?ドーラどういうこと?」 「間違いなければ、その子の声自体が力を持っているみたいだな」 「声?」 「住職から聞いた事が有る。おそらくは言霊、言葉に魂が宿るって言う意味なんだが、それを使いこなせるものが昔っから神仏から力を分け与えられた存在と言われているんだ」 「うん、いる、んだろうね。住職さんとドーラが言うならいるんでしょうね。だから何でその子の言霊が私にくるの?」 「意識して言霊を飛ばしたかはわからんが、お前さん、その娘に好意を持たれてるぞ」 「え?私に?」 「ああ、その娘お前さんと話したいんじゃないか?」 「え?」 「友人が欲しいんじゃないか?その娘も周りに友達いないんだろ?」
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