碧の声

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 そう言われ私は気付いた。 「もしかして、言霊?」 「ドーラ、言霊だと知らずに潰しちゃったからね。今度やったら天罰が来るのか来ないのか怯えているのよ」 「でも言霊は神仏に近いだけなんじゃ?」 「そうね。近いからこそ、どっちなのかが分からないの」 「どっちなのか?」 「天罰を与えられる側か否か。神のような存在だけれど神でない存在、もし紬が地雷を踏んだその時にならないと分からない。だから紬に碧って子を刺激しないで欲しいって遠回しにお願いしているのよねー。ドーラ」  ドーラを持ち上げながら本当に楽しそうに話をするエルシィとは反対に、ギリギリと尖った歯を見せながら歯ぎしりをしているドーラを見て私は乾いた笑いしか出ない。 「わ、わかりました。碧には刺激しないように仲良くしますね」  私が話を収めようとしたのに、この100歳以上の魔法使いは話を続けた。 「紬、刺激していいよ。私は一切困らないし、神仏に対して怖がっているのドーラだけだから」 「エルシィ!自分だけ助かろうとして!ドーラ達は一蓮托生じゃろ!」  魔女はダンスを踊るかのように回りながら、召使は今にもかみつきそうな勢いで抗戦し初めてしまい収まるまで私は見届ける事しかできず、落ち着いたころには日が落てはいたが、笑いの絶えない一日に、友人もでき忘れられない日となった。
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