3人の魔法使い見習

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「この国に来るまで、ドーラと西の大陸にいたの。電気もまだ点いてない時代からドーラと二人で放浪生活で誰にも見つからないように生活していたんだけれどね。ある時、運悪く見つかっちゃってね」  エルシィが昔話を始めた。  エルシィの顔立ちからしてアジア圏の生まれではなのは気づいてはいたが、それよりもエルシィとドーラが電気が発明される前から存在している事に驚かされたが、今現在のように姿を隠しているのにどうして見つかったのかが気になった。 「ドーラが、見つかったんですよね?」  私はエルシィに変な質問をしてしまう。  ドーラの義体化を目の当たりにしている私からすれば、人間の所作が自然と馴染んでいるのにどうして見つかったのかが納得できなかった。 「そう、あの頃はまだドーラは義体化が上手くできてなくてね。村の市場で買い物している時にドーラ義体化が解けちゃって」 「え?」 「まあ想像通りに市場周囲は割れんばかりの絶叫だったわ」 「歓声のように言わないでくださいよ。それって村人からしたら恐怖の悲鳴ですよね?」 「ふふ、その場は急いで逃げたんだけれど、少しだけ大騒動になって村から周辺国まで広がってね」 「それ少しってレベルではないですよね?」  エルシィの感覚が規格外すぎて私は声が自然と大きくなるが、それをエルシィは楽しそうに微笑んだ。 「それで私達がお尋ね者になったの。まあドーラと一緒になった時から覚悟はしてたけれど、想像よりも追手が多くてね」 「追手?」 「ええ。元から放浪の旅をしていたから山賊とかに狙われることはあったけれど、私達を悪者にして英雄になりたい奴とか、ドーラを生け捕りにして王様に献上したい奴等とか色々と討伐に来たなかに、1人の魔法使いがやって来たの」 「魔法使い?そんな昔から魔法使いっていたんですね」 「ふふ、紬が想像するよりも大昔から魔法使いはいるよ」
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