3人の魔法使い見習

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 驚く暇もなく私は何か言ってはいけない事を言ったのかと背筋が一瞬で冷える感覚に襲われると社の中から「攻撃しないのよ」と物騒な事を言われた。  エルシィの言葉に赤のフードの子は驚きながら杖を下ろした。 「そんなに力あるのに……」  その反応とは反対に白のフードの子は何処か肩の力が抜けたように溜息を吐きながら言った。 「心配して損した。ねえアルス、私レンと休むわ」 「あ、うん。お疲れさまミーレ」 「あとは、よろしくね」  白フードの子であるミーレは方向を変え黄フードの子であるレンと木陰に腰を下ろし話し始めた。  その二人を赤フードの子であるアルスは2人を寂しそうに見ている姿に、私は「どうかしたの」と声を掛けると悲しそうで悔しそうな顔を見せた。 「なんでもないです!」  急に声を掛けられ戸惑わない人は居ないと分かってはいたが、想像よりも警戒されている事に悲しくなる。 「ははぁ……そんなに警戒されるとは思わなかったな」  私の言葉にアルスは申し訳なさそうに視線を外しながら小声で答えた。 「警戒しているわけじゃ……ううん。無意識に警戒しているかもです」 「無意識に?」 「その、あなたの力が見た事のない程に漏れているから心のどこかで警戒しているかもです」 「あー…それについてはごめん」
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