3人の魔法使い見習

8/12
前へ
/50ページ
次へ
 その時私の呪いがドーラやエルシィが人間離れした世界で生きてきた側から見れば普通に見えるが、儀式を行っている人から見ても異常なんだと知り、今までの物の怪の類に絡まれていた事がようやく納得できた。   「その力について教えてくれないかな?」 「力?……え?そんなに力があるのに、なにも知らないんですか?」 「それは話すと長くなるんだけれどね」  私は自身の事を今まで起きた事、呪いにかかった事、それによってエルシィと知り合った事をドーラの存在を触れないように語ると、アルスの表情は儀式が終えた後よりも暗くなっている事に気づき「気分でも悪い?」と聞くと、アルスは私の手を引きながら耳打ちをした。 「あの、聞きたい事が有ります」 「どんな?」 「……誰にも聞かれない場所はありませんか」  私はアルスの言葉を木陰で休んでいる2人を見て儀式の事なんだと分かり、山に張り巡らされている結界の近くまで下りることにした。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加