3人の魔法使い見習

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「アルスはどうなりたいの?」 「どうなりたい?」 「私は呪いのせいで物の怪、アルスの国ならモンスターに狙われ続けている。それを変えるために私はエルシィさんに助けて貰う為にここに居る。でも、解呪をしないで狙われ続ける未来もある。決断するのはアルスなんだと思うよ。エルシィさんの手伝いをこのまま知らん顔してAの名前を名乗るか、頑張ってAの名前を継ぐに等しい人になるかはアルスの気持ち次第だとおもう」 「私しだい」  私がそう答えると、アルスは少しの間黙り息を整えながら決意を固め私に言った。 「私は今のままではだめだと思います」  そして力強く自身に向けて宣言するように言った。 「だからもう一度、修行をし直して力をつけて継承の儀を受けたいとエルシィ様に伝えます」 「ふふ、良いんじゃない」 「良い考えですかね?」 「うん、とても素敵な考え。エルシィも喜んでくれるよ」 「ふふ、次はドラゴン様に本当の叫びをお聞かせします」  私はアルスなりの冗談に笑みが溢れる。自身を甘やかすでなく真っすぐに道を究めようとする姿に、立派な魔法使いになってほしいと願った。  アルスは儀式が終わった直後の強張った表情がとけホッとした顔を見せながら私に「相談を聞いてくれてありがとうございます」とお礼を言い我疑問が湧いた。 「でも、どうして私に相談しようと思ったの?」 「紬様の力が呪いだとしても大きいので私の悩みに答えて頂けるかと思ったからです」 「はい?」  私は首を傾げる。  言われてみればエルシィやドーラには再三脅かされ続けていたが、どれほどに危険なのかも把握はしているが、力の強さについては何も聞いてない。
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