3人の魔法使い見習

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「紬様のその力、私の祖母である先々代が魔法を放出したくらいの大きい力だったので」 「それって」 「何十年も力を付けないと到達できないレベルと言えば分かりますか?私と変わらない年齢で、その力の大きさに私は自信を失いましたが。そのような方なら呪いだとしても、色々と力によって経験されているはずなので私が悩んでいる事にも答えてもらえると思い聞きました」 「……そうなんだ」  アルスの考えなのか魔法使いの考えなのかは分からないが、力がある物は呪いだとしても知識があるとみなされている事に気づき納得はしたが、それよりも私は自身の力について危険度の次に力のレベルを知って、よくも、まあここまで成長出来た運が良かったとしみじみ思う。 「紬様、そろそろ戻りましょう。レンとミーレがやってきます」 「なんでわかるの?」 「ふふ、内緒事を聞かれたくないので感知魔法を使ってました。2人分下りてきたので、間違いなく」  山の上を見ながらアルスがそう告げると同時に白と黄色のフードを被った少女が山から声を上げながら下りてきた。 「ね」  振り向くアルスの少し誇らしげに言われた私は驚いていた。 「どうかしました?」 「あ、私が知っている絵本とかみた魔法ってこれって思ったの。最近まで見せられていた物ってと違ってまじかで見れて驚いた」 「ふふ、それは嬉しいです。エルシィ様の御友人に魔法の事で驚いて貰えるなんて光栄です」 「あ、そうなんだ」  本当は別ベクトルで驚いている事はこのさい黙っておこう。悩み事が減ったばかりで、また自信を失わせるなんて野暮だ。 「アールス戻るよー」と、どことなくのんびりした声にアルスが答える。 「はーい、今から戻ります。では紬様」 「うん。社に戻ろう」  私とアルスは社へと戻った。
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