見える子と魔女と■

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01  高校の入学式は体育館で行われた。 校門から校舎へ入ると入学式と矢印が掛かれたカラーコーンが立っていて導かれるように体育館へと向かう。  体育館の入り口で在校生と先生が受付で立っていて、入学式のパンフレットを持たされ室内へと入る。  バレーボール4面ほどの先にある壇上を前に綺麗に一定の間隔に並べられた椅子一つ一つに番号が書かれているプレートが置いてある。 「入学説明会で渡された番号に座ってください」と後方から先輩であろう女子生徒から伝えられ、カバンから番号を確認して席に座り周囲を見渡しパンフレットに目を向けていると徐々に人が椅子に埋まり薄く流れていた音が聞こえる程に静かになり入学式が始まった。  校長の話が始まり生徒会長の話を聞かされたまでは覚えているけれど、その先が全く覚えてないまま入学式が終わり各クラスへと別れる。 分け方はパンフレットの番号で別れていて私は3組に属することになった。  教室までは体育館から旧校舎を挟み新校舎へと向かう。 旧校舎は部活動や科目によって使い分けをしていて、本校舎より小さいのは使い頻度が少ないし必要が無いからだろう。体育館から旧校舎、旧校舎から新校舎へ出願や受験の時には気付かなかったけれど、3年間続けなくてはならないと気付き嫌な気分になりながらクラスへと入る。  これまたご丁寧に座る場所にも番号札が置いてあった。 事前に用意する方は面倒な作業だが新入生にしては有難い、初日から座る場所で困ったり悪目立ちなんてしなくて済むと安心し私は窓際の前から2つ目の席になる。  純粋に窓際なら良かったのに建物の作りのせいか真っ白な柱の真横になった。 「ここか」と口に出していたのだろうか。後ろに座っていた女の子が微笑んだのが分かり私は後ろへと顔を向くと「ごめんなさい」と言われた。  私は予想だにしてない言葉に「あ、はい」とそっけない変な返事をしてしまった。  怒ってはいないが相手に悪い印象を与えてしまったかもと後悔しながら教師が来るまで黙っていた。
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