雨の日

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「うん、約束するわ」 「……分かった」 「それは承諾、私の話を聞き入れると言う事で良いかな?」 「何度も言わせないで、私の少しの力でドーラ達に何もしないと約束をするなら」 「ふふ、本当に良い子に育ったものね」  名前を言いたくない人は時計からゆっくりと下りてく私の前へと手からふわりと小さい黒い霧が浮かび上がり私の5m先に浮いたまま立ち止まっている。 「さあ紬。その手を差し出して」  名前を言いたくない人がそう言い終え私が右手を差し出すと、黒い霧が目の前いっぱいに広がった。  ゆっくりとゆっくりと黒い霧が近づいてくる。  どんなに決意を固めても恐怖は拭い切れずに私が目を閉じた瞬間、風が舞い声が聞こえた。 「っと」  何が起きたのだろうと目を開けた。  そこには私の目の前まで来ていた黒い霧を杖で切り裂き、私を守るように結界を張り現れたのはエルシィだった。 「エルシィさん!?」 「やっと見つけた、遅くなってごめんね。紬」 「魔法使い!何でここに」  エルシィの姿を見て名前を言いたくない人は驚くが、エルシィは溜息を吐くようにしながら答えた。 「それ本気で言ってる?この一帯で一斉に複数の結界が貼られ出したから、何かあると思うでしょう?結界壊し回って正解だったわ」 「っち」 「結界?」 「公園内に人いなかったでしょ?あの女、事前に邪魔されたくないから結界を張りに張って憑りつく用意するなんて、どれほど焦ってるのよ」  どこか呆れたような口調でエルシィが言うと、名前を言いたくない人はその言葉に感情をむき出しにし叫んだ。
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