雨の日

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10  いつものように自転車に乗り込み変わらない風景を眺めながら、人を入れないようにした結界の中に入り山道を上がると社に着く。  普段なら表玄関から入るのに、今日は気分的に浮かれているからなのか、2人を驚くかと思いから裏玄関のドアを開けると、荷物を持っているエルシィと鉢合わせしてしまった。 「ははは、おはようございます」  驚かすことが出来ず誤魔化すように笑いながら挨拶をすると、エルシィは「リビングで待っていて」と言われ、私はリビングに入った。  リビングにはプヨプヨ人形状態で床に眠そうにゴロゴロしているのドーラを見つけ抱きかかえると、エルシィがリビングに戻ってきた。 「昨日のうちに呪いを解きたかったけれど、疲れていて解けなくてごめんね」 「そんなこと気にしないでください。それよりもエルシィさんの体力の方は?」 「もう回復したから安心して」 「そうですか、ふふ」  私の微笑みに反応したようにドーラが眠そうな目をこすりながら言った。 「嬉しそうだな」 「だって、呪いが解けるなんて夢のようで、まだ信じられないよ」 「夢なんて事は無いぞ。ドーラがあの黒いの退治したから、あとは呪いを解くだけだ!」
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