雨の日

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 私は何を言われたのか理解が全くできずに固まると、誤魔化しきれないと分かったエルシィは面倒くさそうに答えた。 「正確には、あの黒い霧の呪いはとけたんだけれど、もう一つ呪いが出てきてね……」 「……え?ちょっと待って、それってどういうこと」 「ドーラも呪いが2重になっている初めて見た」 「2重って!呪いに呪われているの私?」 「そうとしか言えない。黒い霧の呪いは解いた中から、呪いのコアが出てきたから」 「そんな箱あけたらまた箱みたいなこと?」 「はは、うまい例えだ」 「そんな事で褒められたくないよ!」 「……それだけならよかったんだけれど」 「けれど?え、今なんていった?まだあるの?」  不吉の連続に私の感情がグチャグチャに砕かれ、消し炭になりそうになっているのに、目を背けたい事実を伝えられた。 「中から出てきた呪いが複雑すぎて相当な手練れが呪ってるわ。下手に私が解除しようものなら町が犠牲になるレベルの争いごとになる呪い」 「なんでっ?!」  その表現が嘘ではないのはドーラのサイズ間で重々納得できても、今回のは受け入れられず声は自然と大きくなりエルシィの肩を掴んで助けを求めるが、困っているのはお互いだったようでエルシィも大きい声で答えてきた。 「こっちが聞きたい!どれだけ呪われてるの?私の家系より恨まれている人なんて見た事も聞いた事もないわ!」 「たーすけてよー!」 「お前さんたち落ち着け!」  ドーラの一言でエルシィは深呼吸を始め「お茶にしましょう」といいリビングへと戻った。
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