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Prologue
01
私が幼稚園に通っていた頃、隣に住んでいた変わったお姉さんが居た。
決して名前を教えてはくれず、私が聞くたび変わる名前と玄関の表札まで変わる日々に振り回され私は聞くのを諦め勝手に隣姉ちゃんと言う事にした。
このエピソードだけでも容姿を想像する前に隣姉ちゃんが変わり者だと言うのは分かっていただけたに違いない。
そんな変わり者に私はなついてしまった。
どの時点からかは覚えてはいないけれど、たぶん初対面の時から会う度に飴だがお菓子を与えられ、純真無垢な私はお菓子をくれる良い人と思い込んでいたに違いないが、いま思えば後悔でしかない。
「ねえ隣姉ちゃん」
「なーに?」
「隣姉ちゃんは何をしている人なの??」
「仕事の話かな?」
「うん」
「秘密に出来るなら教えてあげる」
「本当?!」
今までなにも教えてくれないものだから。つい、はしゃいでしまったが、こんなバカな質問なんてしないで家で遊んでいれば、今頃私は一般的な普通の子で居られたに違いない。
「魔法使い」
「……魔法使い?ホウキの?」
「ふふ、イメージが古いけれど。それ」
「ぜーたい嘘だ!隣姉ちゃんの嘘つき!」
「あー酷い。嘘つきなんて、そんな事をいう子には」
「いう子には?」
「魔法使いにしちゃうんだからね」
「……え?」
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