異世界転生先でアホのふりしてたら執着されました

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 自慢ではないが、俺は前世の記憶がある。そして俺は今世で生まれたこの世界のことを知っている。  そう、この世界はよくあるBL魔法学園ゲームの世界なのだ。中世ヨーロッパを思わせる街並みと、そこを闊歩する魔法使い。カラフルな髪色をもつ人々が幸せそうに歌を歌う。  そして俺はなんの運命のいたずらか、作中最悪の悪役令息として生まれ変わってしまっていた。  俺がその事実に気がついたのは10歳で第一王子と婚約した日である。俺に笑いかけてきた少年の整いすぎた顔を見て、すべてを思い出した。  当然、俺自身のたどる運命も思い出した。  俺はサンソリク伯爵家の長男で、名前はマルクスだ。王子と婚約した状態で魔法学園に入学し、そこで庶民出身の主人公の才能と王子との関係に嫉妬をして悪巧みをするいわゆる当て馬的存在だ。  このままいけば、俺は18歳の学園の卒業パーティで断罪され、首と胴体が永遠の別れを告げることになってしまう。  俺は断罪エンド回避のために8年かけて準備をすることを決意した。
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