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3話 礼拝にて
「ナオトさん。起きて。もう8時よ?朝ごはんにしよ」
4時に帰宅後、ぐっすり眠っていたナオトは、ラムエに体を揺すられて目を覚ました。
「あ…あぁ…おはよう」
寝不足かと思いきや、ナオトは元からショートスリーパー。
数時間寝ただけである程度、体力が回復してしまうのだ。
ゆっくり起き上がり、ラムエにおはようのキスをすると、顔を洗い、食卓についた。
目玉焼きにベーコンとサラダに焼きたての厚切り食パン。
それと、ホットコーヒーが用意されていた。
コーヒーは、ラムエがいつも豆から挽いて入れてくれている。
「いただきます☆」
ラムエはニコッとしてバターをたっぷり塗って食パンを口に頬張った。
コーヒーを一口飲んで、ナオトはホッと一息ついた。
「ちゃんと寝れた?なんか…疲れてない?」
ナオトは、ハッとしてラムエの方を見た。
あまり顔や口に具合の悪さを出さないようにしているナオトだが、一緒に住んでいるラムエには、少しの変化でも分かってしまう。
「あ...いや。実は深夜にアテムさんに呼び出されてさ…」
「またぁ?」
アテムが色んな人を深夜に呼び出すことは、よくあるので、ラムエも呆れるしかなかった。
「それで?どんな用事だったの?」
ベーコンをナイフで切りながら、ラムエはアテムがナオトを呼び出した理由を聞いた。
ナオトは食パンにバターを塗りながら話を続けた。
「なんか、神のお告げを聞いて、『地球防衛軍』を作り4つの国を守るとかいってさ。軍員表作ってたんだよね」
食パンにバターを塗る手を止め、手を洗って、自分の部屋から軍員表を持ってきた。
軍員表をラムエに見せると、まだ神を信仰していない『チャクリス』ではないラムエですら、おかしいと言う。
ちなみに、イースでは神を信仰している人間を『チャクリス』と呼ぶ。
「神のお告げは、イースの神官しか分からないし、チャクリスでもないアテムさんにお告げが来たって…なんか…ねぇ…夢でもみたんじゃないの?」
ラムエは苦笑しながら軍員表をナオトに返した。
「そう思うだろ?だけど、神魔約書の第一章、天地創造に書いてあるのと、同じこと言っててさ…」
「天地創造って、あれでしょ?4つの国を神様たちが作ったって話だよね?」
チャクリスではないラムエでも、分かる有名な部分だ。
興味のある本しか読まないアテムが、神魔約書に書かれている部分と似たことを話していたとラムエに話すと、ラムエは驚きと怪訝そうな顔を見せた。
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