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「これが、嘘だったらアテムは処刑。本当なら、このまま『地球防衛軍』に入り、本格的に動かすことになる」
あくまでも、ナオトは冷静に話した。
今日は日曜日で、国民のほとんどが聖堂に行き礼拝をする。
礼拝のあとは、ゆったりとラムエとデートをするはずだったが、礼拝後に神官に会い、アテムの話を伝え、神議にかけてもらう必要があるそうだ。
神議とは、通常は神官が神から聞いた神のお告げについて話し合う場。
だが、チャクリスではない人間が神のお告げを聞いた場合でも、それが嘘か真か神議をすることもある。
もし偽りの神のお告げだった場合は、聖堂内の奥で処刑が待っている。
本当なら、そのままチャクリスになるための儀礼『バリディヌス』を受けることになる。
神のお告げをチャクリスでもない人間が受けるということは、産まれた時から神の子として、神から愛されている子とされ、イースでも敬愛と高貴な待遇を受ける。
「えぇ~…これ、礼拝が終わったら、神官たちに話にいくの?デートは?」
せっかくのデートの時間を、訳の分からないアテムの『地球防衛軍』のお告げの神議のために時間を割くということに、ラムエは不満を隠せずにいた。
「もぅ…やっと休みになったと思ったのにぃ~!」
ラムエは、少しイライラしながら目玉焼きを切って口に運んだ。
「ごめんなラムエ。だけど、チャクリスとしては、このままにしておけないから。嘘だったら、マジでタダでは済まさないけどな…!」
アテムのいつものワケの分からない事に巻き込まれているのではないかと思うと、ナオトもイライラが募っていた。
「本当に…。いっつも、いらん事に巻き込まれているが…神のお告げまで使うとは…全く…」
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