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だが、4つの国を守れというのは、ナオトでも少しおかしいと思い、聖堂で配られている『神悪約書』を取り出した。
『神悪約書』とは、イースで使われている書物のひとつ。
イースで『神悪約書』を持たない国民、神を信仰しない国民はひとりとしていない。
『神悪約書』中には、『過去の書』という部分を読むと、こう書かれていた。
『神は地球を与え、大地と海、動物と自然を作られた。しかし、悪魔が動物を唆し、人を作ってしまった。怒った神は天地を4つに割り、人間に地球を守り世世に繁栄させる宿命をお与えになった。』
過去の書の第一章、天地創造の部分だった。
ナオトは半信半疑で、本当に神からお告げなどくるものかと思いながら、過去の書を読み進めた。
『人間は神の目の下で、それぞれの国を守るため、防衛軍を作った。人は平和を保つためには武力で戦うことも辞さないとした。神は争いは望んでいなかった…ー』
天地創造だけでも、かなり長いが、最後のページまでめくると、このように書かれている。
『東の国が生贄を捧げ、神の怒りを治めていたが、いよいよ崩壊の時がきた。人間は愚かにも、全ての国が大きな爆弾を使い、全ての国を崩壊させた。しかし、それは全て神のお導きであった』
『神魔約書』には、このように書かれているのと、アテムがいう地球防衛の話は、合っている部分もある。
普段、興味のある本しか読まない、しかも、山ごもりをして、どの国にも属していないアテムから出てくる言葉とは、到底思えなかった。
違和感と眠気と、叩き起こされたイライラと、そして、アテムにすぐに自宅にこいと急かされ…困り果てたナオトは、『神魔約書』を片手に、アテムの家に向かうことにした。
「わかりましたよ。今から向かいますけど、場合によっては金もらいますからね!」
ラムエをひとり家に長くいさせたくはないので、アテムの家での滞在時間は2時間に制限させた。
他に誰かくるのか尋ねると、ピエモンテも呼ぶというのだ。
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