気晴らしの冒険

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 さて、三日後である。  私とトリネは、件の村へとやって来ていた。  村にはドンヨリとした空気が漂っていて、村人たちの表情は重い。  もっとも、村が化物に襲われ、解決の当てもないとあっては、それも無理からぬことではある。  そんな村に、武装した「冒険者」(本来の身分は隠しておいた……明かしといたら、それこそ動けたものじゃない)の私たちが現れたものだから、村は湧きに湧いた。 「特別に、ロハでの退治を引き受けて差し上げます」  と、私が村長に請け負った時には、村中から歓喜の声が立ち上がったものである。  とはいえ、疑問の声もないではなかった。 「しかし、冒険者が無料の仕事を請け負うとは……」  村長の取り巻きの誰かがこんなことを言ったので、トリネが、 「実のところ、村の惨状に心を痛めたさる貴族の方からのご依頼でして……この点はご内密に」  と、もっともらしい嘘を言い、 「貴族が冒険者の自由市場に介入したとなると、禍根の元ですから、お人好しが安値で受けた、ということにしておいて下さい」  とも付け足した。  とにかく、私たちは村を悩ます化物の退治を請け合うことになったのである。
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