アイドルなんて辞めてやる

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アイドルなんて辞めてやる

布留都 茘side 行きにくいなあ…。 だって、人の視線が熱いし交番の人絶対ウチのこと知ってるよね…。 萎えるわ、ホント。 「あの、すみません。」 「へ!?」(警察) こういう空気嫌い…。 「ストーカーです。預かってください?」 多分言葉間違えてると思う。 でも、イラつきすぎてそんなこと考えてなかった。 「え、あ、はい?ストーカー…?」(警察) 「私の個人情報が出てたら、そりゃあと付けてくる人だっているでしょう。」 「あ、やっぱりアイドルのレイ様だ…。」(警察) そんなことどうでもいいんだけど。 「わかりました。」 その後、やる気なかったけどサインとか色々書類に書いて。 ちょっと警察さんともしゃべった。 内容はもちろんアイドルの話だ。 「アイドル辞めるなんて本当?」(警察) 「何で知ってるんですか。」 「ネットで噂になってる。あ、そうだ。…feelのインスタ、開いてみて。」(警察) それにはだいぶ抵抗があった。 だって、インスタには私の、個人情報があったから。 「コメント、見た?」(警察) コメント?そんなのみるわけない。 あの時、どれだけ絶望したか。 「辞める理由も、教えてよ。」(警察) (しつこい。)ただただそう思った。 「学校でも調子に乗ってるっていじめられて、アイドルの方ではメンバーが私を辞めさせようとしてて。しかも個人情報もバラされて、ストーカーもきてしまって。そのストーカーには誘拐されるし、ホテル連れて行かれるし。 外出なかったら家まで入ってくるし…。もう怖いんだよ…。これ以上喋りかけてくんな!?」 とうとう、キレてしまった。わかってる、相手は年上だ。 でも、ほっといて欲しいんだ。 「それでは。」 さっさと帰ろう。 「待って。」(警察) 「何ですか。しつこいです。」 「コメント見て、本当に」(警察) 一応見るけど、何がそんなに大事なんだよ。 踵を返して、私は帰って行った。 そして、警察さんが不安そうな顔してたことを私は知らない。
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