june bride

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 川で死んだ老人。  子兎を睨む大蛇。  横たわる母猫に、子猫が6匹。先に乳にありついたであろう3匹はひと回り大きく、まだ小さい3匹が必死に乳にぶら下がる。  僕は生きて行けるだろうか?  彼女が会いたい、んだって。  毎年この時期。  僕の誕生日。年度始めと夏休みの間。事情はわかる。半端な夢なら何も無いほうが良い。  忘れた頃に思い出す恋。  僕はずっと忘れられないで、忘れられてく。  もう繰り返すもんか。はっきりさせよう。 「僕は好きだ。きみは僕を好きかい?」「ゆっくり時間を過ごしたいの」「好きでもない奴と過ごすなら時間の無駄だよ」「好きって言いづらいし」「そりゃあ言えと言われて言うもんじゃない。わからないなら好きじゃないんだ」「会いたいか、会いたくないかなの」「好きなのに好きでもない相手に会いに行く身にもなってくれ。時間もガソリンもかかるんだ」「無理にとは言わないけど」「結局いつも僕だけ好きできみは都合よくそれを利用するんだ。そんなら他の女追いかけた方が気楽だよ」「あなたも会いたいかと勘違いしちゃった」「うん、やめよう。きみは悪くない。僕が変なんだ。そんな風に思い続けるのはもうたくさんだ」「むずかしいのね」「好きじゃないなら僕だって暇じゃないんだし、友達でも作りなよ。きみが僕を好きなら簡単なんだ。ハッピーになれるんだ」 「すーきー」 「はわわ」 「おやすみ」 「ありがとう。僕も好きだよ。おやすみ」  馬鹿で良い。先が見えてたって、飛んで火に入る夏の虫になってやろうじゃないか。いっそ毎年六月の花嫁にきみを迎えてやろう。きみが良いんだ。  どうやらしばらく生き延びた。  命を救う「すき」がある。
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