蠱惑Ⅱ『酒仕込み唄』

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「もういい。我等の気遣いは永遠に続くんだ」  杜氏が言いました。シャッターが閉められました。女将はもうショックで意識がありません。私はシャッターに背を預けて逃げ場を失いました。 『♪はあよいさのこら~さ 酒の神様、おなごを嫌う、されど親方いい男~やれさ~のほいさ~ やれどっこいさ~の~こ~らさ~♪』 「はあーどっこさのこらさ」  合いの手を入れないと杜氏に睨まれます。音程の外れた私の合いの手に毛利が笑いました。 了
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