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「お好み焼き屋の二階だなんてっ」
……砂月さんと感性が似てるな。
にゃん太郎がやってきた。
「可愛い猫がっ。
やっぱり、ここ、素敵じゃないですかっ」
いい人かもしれない……。
二人で、しゃがみ、しばし、にゃん太郎をかまった。
腹を出してぐるぐる言っている愛らしいにゃん太郎を見ながら、宮澤は言う。
「でも、いずれ、このアパートは立ち退き……
いや。
そうです。
立ち退かせます」
と決意を新たにする。
「でも、まだしばらくはあるんでしょう?
住んでみたいなあ」
「……家主のおばちゃんに訊いてみましょうか?」
すみませーん、と宮澤はガラガラとガラス戸を開け、中に入っていくと、飛翔のおばちゃんに、ここの二階が気になる人がいると教えた。
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